2007年9月26日水曜日

謝罪の意味(電脳コイル)


電脳コイルはシリアス一直線ですね。キラバグは古い空間へのルーターとして機能するもので、向こうへ行ってイサコは兄の精神を連れて帰り、ハラケンはカンナの精神のコピー体に逢うことを望んでるようです。
ところで、ハラケンのカンナへ謝りたい気持ちというのは、裏返せば「自分を許して欲しい」とか「贖罪を果たしたい」という部分も含んでいて、利他的でありながら同時に利己的な衝動でもあります。相手が人の考え方・感情を模倣するただのプログラムで、複製品であっても原型が既にこの世にない以上ハラケンにとってカンナ本人と同じ認識となっているはずです。だから一目カンナに逢って謝罪することで、自分の心が今まで囚われていた檻から抜け出したいのです。

自由研究の時ふざけてばかりいなければ良かった

あの時、喧嘩なんてしなければよかった

結果、カンナは一人で交差点に行き、事故死してしまった。

引越しを控えて大黒市での最後の夏休みだから、と張り切っていたのに。

もし僕がそこにいたなら、車道に出ようとするカンナを制止できたかもしれない。

だから、カンナが死んだのは僕のせいだ。

この一年、ハラケンの心は夏休みにカンナの訃報を聞いてから止まったままで、
今も事ある毎にぐるぐると後ろを振り返り、一年前の時点へと戻ってばかりだったと思います。
コピー体とはいえその時点までのカンナの意識が完全に複製された存在があることを確信し、
それに謝罪をすることで、形だけでも、言葉だけでも赦しを得ることでハラケンの心も現時点まで戻ってくることが出来るような気がします。ヤサコと約束した、小学生最後の夏休みを楽しいことして過ごす為にもハラケンは来週あっちの世界に行くでしょう。ハラケンはカンナのコピー体にあって救われる事になると思いますが、もし逢えないままに終わったとしたら、ハラケンは宗教に走りますね
だって、誰からも赦してもらえない人たちが、自分を赦してくれる絶対の存在、神を作り出したのですから。

ところで17話では、オバちゃんはとうとうサッチー5体を引率してきましたが、ポチ、タマ、チビ、コロ、ミケの区別はどこでしてるんですかね?そしてこのネーミングのセンス、とってもチャーミングだと思います。

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